たばこと塩の博物館『魅惑のボリビア』より抜粋
南アメリカ大陸のほぼ中央部に位置するボリビア共和国は、その国土に4,000m以上の山々が連なるアンデス高地をはじめ、熱帯雨林やサバンナが広がる 低地を含むなど、実に多彩な自然環境に恵まれています。また、アンデス高地では先スペイン期より高度な文明が栄え、さらにスペインによる植民地時代には、 ポトシ銀山より掘り出された膨大な量の銀が当時のヨーロッパ経済に大きな影響を与えました。そして現在でも、色彩豊かな民族衣装やフォルクローレ音楽、古 くより続く民間信仰など、特色ある民族文化が多くの人々の関心を引きつけています。
国名 | ボリビア多民族国 |
首都 | ラパス(憲法上首都はスクレ) スクレは、憲法上の首都で最高裁判所が存在するが、1900年に国会をはじめとする主要な政治・行政機関がラ・パスに移されてからは、ラ・パスが実質的な首都としての機能を果たしている。 |
面積 | 109万8,581平方km (日本の約3倍) |
地理的位置 | ペルー、チリ、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルの5ヶ国に取り囲まれ、国土内には海への出入り口を持たない内陸国である。 |
人口 | 1002万人 (2007年国家統計局) 中南米諸国の中でも先住民人口の比率が高く、アイマラ、ケチュアなどの先住民が全人口の55%を占める。その他、混血の人が32%、白人系(特にスペイン系)の人々が13%である。なおこのような区分は、身体的特徴などより、むしろ、彼らが使用している言語や文化的・社会的な要素によって分けられている。 |
主要言語 | スペイン語、ケチュア語、アイマラ語。またオリエンテ(東部の平原地帯)ではグアラニなどの言語が話されている。 |
宗教 | 現在は信教の自由が認められているが、大多数の住民はスペイン人がもたらしたキリスト教(特にカトリック)を信仰している。 |
政体 | 立憲共和制 国家元首である大統領は国民の直接選挙により選出され、任期は4年。また大統領は、行政府の首班であるとともに国軍の統帥権も持つ。1回限りの再選は認められているが、連続しての再選は認められていない。 |
おもな産業 | 独立以降のボリビア経済を支えてきたのは錫を中心とする鉱業で、錫の他、銀、金、鉛、亜鉛、銅、鉄、タングステン、アンチモン等の鉱産物にも恵まれ、近年では石油・天然ガスの開発も行われている。ただし、就業人口の比率からみると鉱業に携わっている人々は全人口の数%に過ぎず、約半分の人は農牧業に従事している。 また、近年、自動車や電気製品向けの2次電池用素材として注目を集めているリチュームについて世界一の埋蔵量を保有しており、素材から電池製品までの一貫生産を目指して日米欧中韓ブラジルなどとの交渉を活発化している。 |
外交 | モラレス大統領は2010年7月20日のデジタルTV覚書署名式の際に、内藤総務副大臣に対し12月のメキシコでのCOP16において、京都議定書を支持し気候変動に対して協働することを提案し、日本と環境問題に対し一致した考えを持っていると述べた。
又、隣国チリと海への出口問題を含む13項目のアジェンダを外務次官レベルで協議中で自由貿易のためのフリーゾーンをアリカ、イキケ、アントファガスタの三港に設定すること、両国の貿易収支均衡を目指して両国の企業が参加した会合を開催すること、アリカーラパズ間の鉄道が2012年開通予定であることなどが話し合われた。 国連総会でボリビアが提出した「水と衛生の人権」決議案が採択された。(日本は米英などと共に棄権) |