現在のボリビアを構成している9つの県

たばこと塩の博物館『魅惑のボリビア』より抜粋

ラ・パス県(県都:ラ・パス)
ラ・パス県の大部分はアルティプラーノに属しているが、一部はエル・バリェやオリエンテにもかかっている。県都ラ・パスの中心の海抜は約3,700m で、世界最高所にある首都として知られる(憲法上の首都はスクレ)。大きなすり鉢状の地形をしたこの町は、1548年、スペイン人の征服以前にアイマラの 人々によって採掘されていた古い金脈があったところに建設された。

ポトシ県(県都:ポトシ)
県域はアルティプラーノとエル・バリェにまたがっている。海抜約4,000mの高所にある県都ポトシは、1545年に銀の大鉱脈が発見されると、そこか ら産出される多量の銀により、特に16世紀後半から17世紀前半にかけて大繁栄を遂げた。しかし17世紀後半からは生産量が著しく減少し、やがて鉱脈が尽 きると人々は去り町は荒廃した。現在は錫鉱山として再び地下資源が見直され、活気を回復しつつある。1987年にユネスコから世界遺産に指定された町中に は、旧王立造幣局など植民地時代の繁栄が窺える建物が多く残されている

オルロ県(県都:オルロ)
アルティプラーノにある県全域には多くの鉱山があり、特に錫の産出・輸出が全盛であった19世紀前半から20世紀前半にかけて大変な反映を見せた。「オ ルロのカーニバル」は、ブラジルの「リオのカーニバル」、ペルー・クスコの「インティ・ライミの祭り」と並び、南米三大祭りのひとつとして有名である。

チュキサカ県(首都:スクレ)
肥沃なエル・バリェに属したチュキサカ県の県都スクレは、アルト・ペルーと呼ばれていた植民地時代のボリビア周辺地域の中心地として機能していた。 1538年に建設された当初はラ・プラタという名であったが、その後チャルカス、チュキサカと変更され、1839年にボリビア初代大統領アントニオ・ホ セ・デ・スクレにちなんで命名された。1825年のボリビア独立宣言はこの地でなされ、独立後のボリビアの首都となったが、1900年に最高裁判所を除く その他の政治・行政機関が全てラ・パスに移されてからは、ボリビアの憲法上の首都となっている。ポトシに引続き1991年にはユネスコより世界遺産に指定 された。

タリハ県(県都:タリハ)
アルゼンチンおよびパラグアイに国境を接する地域に位置するタリハ県は、エル・バリェとオリエンテにまたがっているが、交通の便が悪いことから他の地域よりも開発が遅れていた。しかし現在では、ボリビア有数の油田地帯として発展の途上にある

コチャバンバ県(県都:コチャバンバ)
県域の一部はアルティプラーノとオリエンテにも広がっているが、その大部分は肥沃なエル・バリェに属していることもあり、「ボリビアの穀倉地帯」ともい われるほど農業が活発に行われている。県都のコチャバンバは、周辺で生産される農産物の集散地でもあり、ラ・パス、サンタ・クルスに次いでボリビア第3の 都市となっている。

ベニ県(県都:トリニダ)
県全域はオリエンテ北部のアマゾン河の源流地帯にあり、かつては天然ゴムの大生産地であった。隣接するパンド県との県境にあるリベラルタは、最初の日本人移民が入った町である。

パンド県(県都:コビハ)
ボリビアの中でも最も北に位置する県で、ペルーとブラジルに国境を接している。ベニ県同様、オリエンテ北部のアマゾン河源流地帯に位置している。

サンタ・クルス県(県都:サンタ・ルクス・デ・ラ・シエラ)
オリエンテに位置し、ボリビアの9つの県のうち最大面積を有している。その面積37万平方kmというのは、ほぼ日本の面積に相当する。長い間手つかずの 状態にあったが、1952年のボリビア革命以降は開発の手が入り、特に70年以後は、石油・天然ガスなど地下資源の開発によって急速に発展し、米、砂糖、 大豆、綿花、コーヒー、タバコなども大規模に生産されるようになった。県都サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ<通称サンタ・クルス>は、ラ・パ スに次ぐボリビア第2の都市で、現在ではボリビアの商業の中心地となりつつある。

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